Green Book 2019 12 31

映画 GREEN BOOK

 舞台は、人種差別が強く残っていた1960年代のアメリカの南部、
つまり、「ディープサウス(Deep South)」へ、
黒人の天才ピアニストが演奏旅行を計画して、
マネージャー兼用心棒として雇ったイタリア系白人の運転手と、
旅行しながら友情を深めていくドラマです。
 ニューヨークで活躍する黒人ピアニストは、教養があふれ、
イタリア系白人は、粗野で教養がなったという設定も、
映画のコントラストを形成しているでしょう。
 もちろん、この時代は、黒人への差別が激しかったでしょうが、
イタリア系白人への差別も少なからずあったと思います。
 この時代のアメリカ社会は、
「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」が、
政治的にも社会的にも優位に立っていた時代だったかもしれません。
 「Green Book」とは、
黒人が安全に旅行できるためのガイドブックのことです。
 正式には、「The Negro Motorist Green Book」で、
書名は、ヴィクター・H・グリーン氏に由来します。
 さて、トランプ氏は、2020年の大統領選挙において、
アフリカ系アメリカ人、つまり黒人の票を獲得できるか。
(参考)
 今の時代は、人種差別のない時代になっていますが、
1970年代も1980年代も、人種差別が残っていました。
 たとえば、当時の南アフリカ共和国では、
「白人至上主義」が政治的にも社会的も強かったのです。
 しかし、やがて「白人至上主義」は綻びが出てくるのです。
第2次世界大戦の廃墟から世界第2位の経済大国になった日本の存在です。
 日本人は、アジア系なので有色人種です。
しかし、世界第2位の日本の経済力が欲しい。
そこで、当時、日本人は「名誉白人」となったのです。
 これに対して、単純に「白人扱いになった」と喜ぶ人もあれば、
「アジアの同胞は、どうなるのか」と心配する人もいました。
いや、アジアの同胞のことを心配した日本人が多かったのです。
 当時の雰囲気がわかるものとして、
いくら日本人が名誉白人になったとしても、
トイレは、白人用と非白人用に分かれていたので、
さすがに白人用を使うには勇気が必要だったという話を聞いたことがあります。




































































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